今年も一年間に投稿した記事から一部分をピックアップして振り返っていきたいと思います。どんなブログかがわかるようにということを目的とした総集編です。
過去の分はこちら。
今年は100本以上書いているので複数回に分けて紹介します。特にピックアップしたいところがない記事についてはリンクだけ貼っておきます。
(Noratetsu Lab Dict.を)作っていてとても楽しかったのですが、自分を基準としたリキッドな描写と事物を基準としたソリッドな描写の両面があることで、表現として補完しあって完成形に近づいた感じが喜ばしいのかもしれません。
04:2023/01/08 ―― アイコンと生まれる表現/ドット絵を描くツール
ということで、「ふざけた顔」で「丁寧なことを言う」というのが自分の中にどうも抵抗を生じていて、結果として「ふざけた顔で雑なことを言う(もしくは雑になりそうだから黙る)」というのが自然になってきてしまった。それは良くない! 私がやりたかったのは「面白く在る」ことであって、「雑に在る」ことではない。雑というのは必然的に攻撃性の高まりも伴ってしまう。
キャラクターからゲームのユニットへ。それらは何が違うのか? 大袈裟に表現すれば、「叙情」から「叙事」への変化みたいなものがあるのではないかと感じている。叙情的表現が相応しい見た目か、それとも叙事的表現が相応しい見た目か。自分自身がその境界上にいるようなところがあり、恐らく見た目でどちらに流れるかが大きく左右される。
「現在」は、言うなれば「事実」と「想像」の汽水域であり、それらを繋げる場であるとともに(なにしろ何かしらの行動を取れる――つまり何かを「事実化」できる――のは「現在」だけと言えるでしょう)、そうやって繋げてしまうがために、切り分けるのには「どう見ても終わっていること」「どう見ても先の話」というような客観的な明らかさを求めがちなのかもしれません。
そんな状態なので、(私の場合)新年の目標というのは常に「今年こそは」と思って掲げることになります。既に失敗したものを、今年こそは実らせようと思って、ケツを叩くために自分に表明するのです。「できない」という結果がもう出ているのに、新年のやる気の勢いでどうにかしようとしてしまう。
もちろん自分の苦手要素と格闘することも必要でしょうが、それはなにも「新年の目標」でやらなくてもいいようなことなのかもしれません。「新年の目標」というのはもちろん「一年の目標」です。つまり期間が決まっているものです。しかも一年というのはあっという間です。そう考えると、苦手の克服を成し遂げることを期待するにはあまりに期間が短い気がしてきます。
つまり「作ろうと思えば何でも作れるはず」という前提の元にデジタルノートツールと向き合ってきた結果、かえって紙というものの普遍性と唯一無二性を感じることになったわけである。
雑に書かれたものは見た目に安定感がない。完成されているという感じもないし、どうにかしたほうがいいんじゃないかという気持ちを湧かせる。書かれた内容が何らかの意味で揺るぎないものだとしても、筆跡が雑だと「もうちょっとどうにかしたほうが」という感が漂う。単に綺麗に清書するなりPCかスマホに打ち込むなりして済むこともあるが、内容自体を考え直すこともある。内容が割合しっかりしていてもそうなるのであって、内容自体が中途半端なら尚更「どうにかしたほうが」感は強まる。
言い換えると、「整ったと錯覚する」ということを防いでいるわけである。美しく記述してしまうと、もうこれでいいのかもしれないという感じがしてしまうところがある。びしっと書けてしまったことには手を入れにくい。
06:焦がれたもの探し
つまり「まだ見つけられていない自己」に焦がれているのかもしれない。というか、まだ見つけられていないところに「好きになれるかもしれない自己」がいると感じているのかもしれない。
私は自分の外にある何かに強い関心を抱き続けるのがとても苦手だ。弱い関心をどうにかほそぼそと維持するか、強い関心を一瞬持つか、そのどちらかになりやすい。そして一瞬ならものすごく強く惹かれたというものであっても、波が過ぎ去るとそういうことがあったことすら思い出せなくなるので、私はいつも自分が空っぽのように感じている。
07:用語集に索引を作りました
10:NTA-DIY:まえがき
直近一年間はプログラミングをずっとしていた、ということをブログでも何度か書きました。一口にプログラミングと言ってもできることには無限の広がりがあるわけですが、その中で私が何をしていたかというと、簡単に言えば「デジタルノートツール(=Note-taking application)のDIY」だったのだと思います。
11:NTA-DIY:前日譚①~カスタマイズできる人ずるい!~
そこまでの自分の人生では誰も教えてくれなかったのに、わかる人は中高生の頃からもうわかっていて、専門用語だけで構成された文章を読んでどんどんわかっていく。自分は今調べようにもさっぱり話がわからない。その事実に直面して、「気づいた時には既に手遅れだった」という気分になりました。この世にはプログラミングがすんなりできるタイプの人間と頑張ってもできないタイプの人間がいて、自分はできないタイプの人間なのだ、と感じていたのです。
本当にコンプレックスだったのは無能さではなく「願望のなさ」「アイデアの思いつかなさ」だったのではないかと思います。プログラミングができるかどうかというより、「色々思いついて次々新しいことをやっている」という精神的な豊かさに憧れていたのでしょう。自分を引っ張る力と言っても良いと思います。その精神的な豊かさの才能が生まれ持ったもののように思えたので「ずるい」と感じたのです。
12:NTA-DIY:1ヶ月目①~どうせならTypeScriptを覚えればいいんじゃね~
プログラミング言語を学ぶ時に最初に困るのが、「書くはいいけど、書いたものはどうしたらいいの?」ということではないかと思います。実行環境なるものがわからないのです。既に何か言語を習得していれば他の言語を勉強する時にも「実行環境はこれなわけね、了解了解」と思えるでしょうが、最初の一歩では実行環境という言葉の意味自体よくわからないので、何をどう調べたら良いのかもわからないわけです。
完全なる独学ゆえに発生した回り道ですが、「正規の道」ではないところを探検してもいいのが独学の面白さとも思います。RPGをやっていて「次はここへ行きなさい」にすんなり従わず他に行けそうなところを探さずにはいられない身には、結果的に非効率であったとしてもそういう迷走の自由を感じられたほうが楽しいのです。
(書き物用のツールは)複数作りましたが、共通して搭載したのが「上半分にアウトライナー、下半分にテキストエリア」のレイアウトでした。ひとつの記事管理データにアウトラインデータと本文データが合わせて入っていて上下に展開される、みたいなイメージです。
上下が反対のこともありましたが、ともかくアウトラインと本文が並んで常時表示されていることが私にとって重要なのだろうということに気がつきました。単に上下にあるのではなく、それぞれエリアがあって別々にスクロールできる形です。
理想のツールを求めてプログラミングに精を出してきましたが、それとともにむしろ紙と筆記具を使う頻度は増しています。適切なデジタル化を図る過程で無理なデジタル化から解放され、適材適所になってきているのだと思います。
私が考える、初学者に於いて最も重要なことは、「おお、できたぞ」という感動です。うまくやれているかとか、よりモダンかとか、無駄がないかとか、そんなことは二の次三の次です。動けばいいのです。もちろん職業プログラマーになるなら別ですが、そういう志のある人はこんな記事は読んでいないでしょう。とにかく動けばいいのです。動かしているうちに勝手にうまくなりますしモダンにもなっていきますし無駄は減っていきます(最短ではないにしても)。とにかく動けばいいのです。そして「動く」ことに感動するのです。
14:NTA-DIY:前日譚②~JavaScriptを書けると何が嬉しいの?~
私にとって幸い突破口になったのが、「HTMLを使ってブックマークを管理したい」という思いでした。詳しいことは別途書きますが、HTMLに自分好みの見た目でリンク集を作りたいと考えた時に、「ベタ打ちはつらいからCSVの中身を表示できたら嬉しい」と思いました。多分それはJavaScriptの出番ってことだろうと想像し、なんとか望みのものを作った時に、「じゃあこれができるんじゃないか、あれができるんじゃないか」と思い巡らすことができるようになったのです。
ツールづくりに入ってからも、便利な組み込みメソッドが既にあることに気付かず、同じ挙動のものを自分で関数にしていたというのがいくつかあります。一言で言うとアホですが、本人は「やはりこれは一般的に多用される処理なのだ!」と思ってむしろテンションが上がりました。学習効率としては非効率なのかもしれませんが、気持ちの面では独学でマイペースにやっているがゆえのボーナスと感じました。それに、気分の良さがブーストになるのだとすれば、非効率イコール遠回りとも限りません。
16:NTA-DIY:1ヶ月目④~for文を解らないまま使う~
理想はその都度理解して適切なものを選択することです。ですがプログラミングが得意なわけでもなく現実はそうスムーズにはいかないので、回り道万歳と思ってやるのが良いと思っています。楽しんでいさえすれば、いずれ「そもそもこれってどういう意味なんだろう」と気になってくるように思います。
最初の頃、分厚い解説本を読み込むとかいうことはしないでずっと手を動かしていました。ちゃんとした解説本はそこそこわかるようになってから読んだのですが、「もっと早く読んでおけば」と思ったかというと、正直全然そうは思いませんでした。
18:NTA-DIY:1ヶ月目⑥~実作:簡単なブックマークレット~
何より、UIに沿って手動で行うアナログな入力に縛られずに「プログラムで動かす」という経験をすることは、少し大袈裟に言えば世界の色が変わるような体験です。それ以上のことを実際にするかどうかは別として、「やろうと思えば色々できそう」と感じることは心を豊かにすると感じています。
投稿も交流も昔とは比べ物にならないほど簡便になった反面、「つくっているということ」「つくる人がいるということ」に対してはありがたみを感じにくくなっているように思えます。すごいものを目にしやすくなり「おお、すごい」と感動する頻度は増した気がするのに、そのすごい人にその先も関心を持ち続けることというのは割合的に少なくなりました。出会いが多すぎるからでしょう。もはや飢えていないのです。その分だけ、私は情けなくも怠惰になってしまいました。
20:NTA-DIY:1ヶ月目⑦~DOMとAmazonブックマークレット~
21:NTA-DIY:1ヶ月目⑧~ScrapboxのUserScriptを作ってみる~
ScrapboxのUserScriptは私がJavaScriptを習得したいと思った動機のひとつです。是非とも作りたい何かがあったわけではありませんが、コーディングできる人が自由にカスタマイズして便利にしている一方、そのコードをすっかり公開までしてくれているのに自分はそれを参考にすることもできないのが少し悔しかったのです。
22:NTA-DIY:1ヶ月目⑨~ブックマーク管理ツールを作ってみる~
23:NTA-DIY:前日譚③~Excelの拡張としてのデジタルDIY~
そしてデータベース的であってほしいところをデータベース的にする試みを重ねる中で、データベース的である必要のないものはそうでない形でよい、という素朴な納得を得ることにもなりました。「Excelみたいにピシッとした」という状態への憧れを解体し、無意味に自分を駆り立てて不満を生み出す根源を撃退したのだと言えるかもしれません。
24:NTA-DIY:1ヶ月目⑩~初めてのノートテイキングアプリDIY~
25:NTA-DIY:余談①~ScrapboxとGitの貢献~
知識が乏しく経験が浅い時点で書いたメモは、その時の感覚で「こう書けばわかるはず」と思っているのですが、もっと先に進んでから戻ってくると何のことを言っているのかびっくりするほどわかりません。書き方自体が下手だったのも大きいと思いますが、能力不足で的確な表現ができないことによって、結局コードを細かく見ないと何がなんだかわからない記録になってしまいました。その時点ですごく頑張って記録をつけても、言葉にする労力があまり活きない可能性があるのです。
その意味で、うまく記録を作る力がなくとも、「そのもの」を残しておけるGitというのは本当に素晴らしい仕組みです。見たままを撮れる写真ですら写真の撮り方の上手い下手が後々問題になりますが、Gitのコミットログはどこからでも見れる3Dモデルを全ての段階で残しておけるようなものです。
26:【こういう】Scrapboxのページタイトルはスレタイ風に隅付き括弧を使うことにした【形式】
この形式の良いところは、なんといっても情報量が増えることだ。一文に領域が三つでき、それぞれメインとサブ①、サブ②であることが明らかである。且つ、隅付き括弧同士は繋がっている可能性があるが、真ん中の内容部分とは少し断絶があるという独特のニュアンスを持っている。そしてメインが何であるかは明確でありながら、両脇も強調している感があるのが面白い。
T05:Dynalistでブログを書く - トンネルChannel
大きなシリーズものや、あるいは本の執筆もきっとそうですが、必要な情報・内容を大きな括りから小さな括りへと階層になるように構成した時に、最小単位の「記事」が何層目になるのか事前にはわかりません。そういった場合に、フォーマットを予め決めておかなければならない形式や、層の数が限られるような形式はやりにくいと感じます。あるいは何層目かによって見た目が決まってしまうものも困ります。層を無限に作ることができ、どの層も同じ見た目をしているプロセス型アウトライナーは、その点で非常に自由です。
T06:誰かの「その人なりに」を見かけるだけで嬉しい - トンネルChannel
雑誌の手帳特集が楽しかったのは、写真で実物を見れたことにあります。手順の説明もあればよりありがたくはありますが、正直あってもなくてもいいくらいでした。その例について「わかる」かどうかより、誰かがその人なりに工夫して生きているということを「垣間見た」だけで嬉しいからです。
(VBScriptを)齧ったと言っても、一噛みで歯のほうが折れたという感じでプログラミングの勉強の履歴としてはカウントしていません。
続きます。