アウトライナーというものは大変にスグレモノである。という確信のもと、何度も活用を試みては何故か挫折するということを繰り返してきた。
挫折というのはつまり「使い続けられなくなる」ということだが、情報を管理するタイプのツールに於いては、その理由として例えば「ツールの機能が不足している」「UIとの相性が悪い」「自分で集めた情報が自分の望まない形に複雑化している」といったことがあると思う。その中で、私がアウトライナーとこれまで幾度も格闘して繰り返したのは、最後の「自分で集めた情報が自分の望まない形に複雑化している」ということである。すなわち、「情報の集まりが自分のイメージ通りに育っていかない」、そして「結局どこに何を書いたのかよくわからない」という事態を引き起こしているのだ。
情報をスッキリ整理するためのツールなのに、何故か煩雑化している!
これは無論アウトライナーというツールの側に問題があるのではなく、その使い方が下手くそであるということに尽きるので、それを解決すべく、理由と解決策を考えていくことにする。
ちなみに、これまで使ってきたアウトライナー及びアウトラインプロセッサーは、クラウド型の「Dynalist」「Transno」、Androidアプリ「Orgzly」、階層化テキストを用いたAndroidアプリ「ハルナアウトライン」「KLOA」、同じく階層化テキストを活用するテキストエディタ「Quartet Editor」、アウトライン機能のプラグインがあるテキストエディタ「Mery」、そしてWordのアウトライン機能である。一瞬試したものも含めれば他にも数多あるが、だいたいこのくらいのものをある程度の期間使い、やがてフェードアウトした。それぞれどのツールも何度もアタックしては徐々に砕けていっていつしか砂になってしまうという経緯を辿っている。(アウトライナーを使えないこととアウトラインプロセッサーを使えないことは、部分的に共通しつつも根本的に異なる層の話だが、いずれにしろうまく使えていないという意味で併記した。)※1
どうしてそんなにも下手なのか?
言い換えると、どうして私はアウトライナーとともに情報管理の「系」を作り上げていくことができなかったのか?
それには大きく分けて二つの理由があると考えられる。すなわち、
- 「きちんとしている感」に負けている
- 「倉庫」として使おうとしていた
ということである。
もしかしたら他にも理由が存在するかもしれないが、現時点で思い至るのはこの二つである。それぞれについて、詳しく述べていきたいと思う。
- アウトライナーの使い方ド下手問題①~「きちんとしている感」との格闘~
- アウトライナーの使い方ド下手問題②~アウトライナーは「今」のものである~
- アウトライナーの使い方ド下手問題③~「自分」はもはや「宇宙」である~
- アウトライナーの使い方ド下手問題④~オールインワンという幻想~
- アウトライナーの使い方ド下手問題⑤~事前アウトラインと事後アウトライン~
- アウトライナーの使い方ド下手問題~まとめ~
※1 以前、何かの記事で「アウトライナー」を「箇条書きでテキストを構成するツール」、「アウトラインプロセッサー」を「見出し行のアウトラインを整理するツール」という趣旨で分けて捉えていたのを読み、それに納得してそういうものと思っていたのですが、そのような解釈は誤りまたは限定的にしか通用しないものと気がついたので訂正させていただきます。