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2023-11-21

書くことは自分を世界に出現させること

 こちらの記事を読みました。

 いろいろ驚きや共感するところがあって面白かったです。

 

書くのが好きだから書く、しかない

僕は中学生のころ学級日誌に思ったことを書き綴るのが好きだった。

 この一文でもう面白い。自分の人生にはなかった選択肢だからだろう。

 自分を振り返ると、昔はあまり書くことが好きじゃなかったなと思う。文章を書いていた記憶があまりない。ちゃんと日記とか書いていたらどんなに良かったかと今は大変に後悔している。

 ただゲームのプレイログ(その時々のデータとか計画とか)はたくさん書きつけていたので、「紙に何かを書く」だけなら人よりやっていた方かもしれない。

 

けっきょく自らそれを払拭することはできないまま時代は移ろい、ブログで収益を得ることも、Googleに気に入ってもらって多くの人に読んでもらうことも以前より格段に難しくなった。そもそも動画を楽しむ人が増えて、日常的にブログを読む人が減ってしまったという感覚がある。強制的に「書くのが好きだから書く」しかなくなったわけだ。

 「書くのが好きだから書く」しかなくなった、というのはその通りですね。もはやブログには悪魔の誘惑はない、という感じがする。強いて言えば承認欲求が満たされる機会を得られるというところはあるけれども、他の手段より効率が悪いし、本当に承認欲求を満たしたいのなら別のことをしようとするだろう。

 この先、「それでもブログを書く」という奇人変人がどんどん凝縮されていき、ブログというのは異様な迫力に満ちた謎空間になっていくのかもしれない。そうなったら面白いなと思う。今のところ、noteはまだ読者に媚びる余地があるから平均して変人度が全然足りない。変人にとって住みよい環境ではないと思う。

 

書くことは自分を世界に出現させること

必要に迫られなくても僕は文章を書きたい人なんだろうし、たぶんそれが僕にとっての存在証明のようなもので、大げさに言えば書くことをやめたら僕はこの世界から消えてしまうような感覚に陥るのかもしれない。たしかのらてつ(@Foam_Crab)さんが似たようなことを言っていた気がするんだけど、どんな文脈だったのか、それがいつ、どこでの発言だったのかはっきりとは思い出せない。

 言及いただきありがとうございます! 確かにそんなことを言った気がする。そう思いつつすぐには思い出せなかった。

 これかなというのを二つ見つけた。

ブログの書き方ド下手問題①~世に訴えたいことはないのだが私は書きたい~

世に訴えたいことがない割に世に向けて表現をしたいとはどういうことなのか。抽象的に言うならば「エネルギーが内に向かって生まれているから」ということになるが、つまり自分の内面を描写したいのである。自分の内面を認識することに自分の思考の多くを割いてしまう癖があるために、そこに形になる成果が生まれないと割に合わない。自分のことをそっちのけで他にエネルギーを費やす才能は私にはなく、エネルギーを自己の内面に振り分けてしまうことが避けられない以上はそこに価値を生み出せないと困る。

 これか、

https://twitter.com/Foam_Crab/status/1700491237864939725

自分が感じたことを書いて発表するというのが、自分を世界に出現させることそのものと感じていて、自分の心のためにやるしかないから駄目って言われたらしんじゃう、という感覚

 これだろうか。後者のツイートの方な気がする。

 このツイートについてはすっかり忘れていたけれど、いつどこで言ったかなと考えながら皿を洗っていてふと思い出した。具体的な文言は全然思い出せなかったので、この時コウさんとやり取りが発生したはずだという記憶から「from:Foam_Crab to:koh_izuremo」で検索して探し出した。

 

 ちょっと大袈裟な表現をする文化に身を置いていたのでそれを引きずった言い回しになってしまったけれど、でもまあ、正直に言い表すならやっぱりそんな感じだなと思う。書かなくても生き物としての私は死ぬまで生き続けるけど、でも書かずにいられない私は、書かなければ生きながら死んでいるも同然だと感じる。この世に存在していなくてもいいよねという。そこにしか自分の輝きみたいなものを自分で見いだせない。

 そういえば「発表」という言葉をこの時使っていた。まあやっぱり、そうなんですよね。世界と接続するものとしての公開であり、それは「発信」とか「アウトプット」とかではなく、世界にある小さな舞台に立って「私はこういうものを持っているんですけど」と「発表」する。それによって、私ははじめて世界に姿を現すのだ。(私にとって日常生活の方は擬態であり、隠蔽である。)