昨日、短文投稿サービスを彷徨うという記事を投稿した。その中で、Twitterには「自分の内面を自分で引き出す」という効用を感じているが、しかしそれはTwitterでなければならないものではないかもしれない、ということを考えた。
「自分の内面を自分で引き出す」ということをTwitterでやっていた理由は以下のとおり。
これは人に見せない日記でやっても良いはずで、実際日記によって同様の効果を得ている人はきっとたくさんいるのだが、私自身は100%自分のために何かをするということが苦手なので、「書くからには読んだ人が意味をきちんと理解できるようにしよう」という少しの利他性を動力にして文章を綴っている。長文にするとなると文章全体の組み立てを考えなくてはならないが(つまり利他性の発揮にエネルギーを費やしすぎる)、Twitterならとりあえず140字単位で意味が通じれば良いので文章化しやすい。
そしてこれをやる場はTwitterでない方がいいかもしれない理由は以下のとおり。
(自分の内面を引き出すための)自分の発信が生んでいるのはまた自分の発信であり、他者の受信・発信を通して自分の受信が豊かになっていくというサイクルを作り出していないのだ。
ではどこでやるべきかという話だが、昨日投稿した時点では解決策というのは全然見出せていなかった。しかしその後別な目的で探していたものによって図らずもスッキリ解決してしまった。
ずばり「掲示板」である。そして解決方法とは言うなれば「ひとり掲示板」だ。
なぜ掲示板を探していたかというのはまた改めて書こうと思っているので割愛するけれども、ともかくあれこれ無料掲示板サービスを見ていて、zawazawaというサービスに行き着いた。調べてみるまで存在を知らなかったのだが、WIKIWIKI運営が提供している「掲示板形式のWIKI」とのことだ。見た感じWikiだという印象は薄いが各スレッド(=「トピック」)の最初にMarkdownで記述を作れるので、確かにWikiなのかもと思う。記述部分を充実させればWikiらしいWikiにもなるし、そこはあっさりでコメント欄が目立つようにすれば掲示板らしい掲示板になる、という感じだろう。基本的にはWIKIWIKIの補助的な位置づけだろうかと思う。
ZAWAZAWAってなに? wikiwiki official - zawazawa
そしてzawazawaは権限の付与を細かく設定できる。URLを知っている人だけがアクセスでき、かつ自分だけが編集できるようにすれば、ひとり掲示板の完成である。じゃじゃーん。
機能もさることながら、見た目が明るくすっきりしていて綺麗なのが良い。使いたいという感じがする。zawazawaに慣れている人が見たら変に思われるかもしれないが、私自身は昨日初めて見たサービスなので違和感はない(違和感を持ちようがないというか)。
で、これは「のらてつの雑記帳」という板(=「グループ」)の中に複数のトピックが存在していて、トピックを開けば私の書き込み(=「コメント」)がずらっと並ぶ状態になっている。トピックはこのページの下の方、または右の「最新トピック」の欄からアクセスできる。
どんどん下方向に書き込むことになるのでTwitterとは向きが逆だが、書き込む感覚としては似たような感じで書いていける。zawazawaはアイコンが丁度いいサイズで表示されるのもTwitter感があって良い。コメントはツリー表示とタイムライン表示を切り替えられるというのも便利。なおMarkdownが使えるので結構いろいろなことができる。GitHub Issuesと同じような感じ。データはCSVでエクスポートできるようなので、もし飽きてしまっても安心。
これを勝手にTwitter的なものとして使うとして、タイムラインをトピック単位で分けられるというのが非常に便利に感じる。全てを細かく分類する必要はないが、明らかに継続的に語っている特定のテーマがあるならそれは分けられた方が望ましい。前々からTwitterにそういう機能があったら良いのにと思っていたが、まあ追加はされないだろうなと諦めてきたことだ。コミュニティ機能は「テーマごとのタイムラインに人が集まる」機能だが(それはそれで良いのだが)、私が求めていたのは「人それぞれにタイムラインを複数持てる」機能だった。
ちなみに各トピックページをRSSリーダーに読み込んでもらうとコメント単位でフィードを取得できる模様。ただ、最初の百数十字分のみで書式も反映されないので、長く書いていたりMarkdownをフル活用していたりするコメントはRSSリーダーだけだと不十分という感じ。
この掲示板にせっせと一人で書き込んでいく。読む人もいるかもしれないと思いつつ、自分自身が必要とすることを書く。誰かに読まれてもいいように最低限文章を整えておこうという気持ちを動力にして、未来の自分が助かるようにきちんと言葉にしておくということだ。
他の誰かとの間に何かの反応を起こしたいならTwitterなりMastodonなり他のSNSなりを使うとして、自分がどんどん書いていければそれでいいものはここに書く。書きやすさを理由にして100%自分のためのものもTwitterやMastodonに流していたりしたわけだが、正直他の人が各々リアルタイムに読みたいと思っているタイムラインにそういうのを流し込んでしまうことに気が引けるところがあったので(仮に読みたいと思ってくれている人がいたとしても)、書きやすさはそのままに気後れする要素を除いたこの場所はとてもやりやすい。
この場所を拠点にしていると、他の人の発信はリアルタイムでは目に入らない。気が向いたらTwitterやMastodonやRSSリーダーを見に行って、溜まっていた分を流し読んで気が済んだらここに戻ってくる。まだ昨日の今日なのでそういうスタイルで固まるかどうかはわからないが、このままこのひとり掲示板を続けるならそういう形で落ち着きそうな感じがする。
現時点では色々と良いことがありそうな感触だが、使っていくうちに弱点を見つけたりもするかもしれない。とりあえずしばらく続けてみようかと思う。