ここ一週間くらいで、ローカルファイルのディレクトリ構成を大きく変更してファイルを整理した。ついこの間まで(唐突に)各所に記事を連投していたのに十日ほど前にあっさり途絶えたのはこの作業をやっていたからなのであった。
ここで言うローカルファイルというのは、PCやスマホを使う中で作成したりダウンロードしたりで発生するファイル群のことを指している。自分が使っている端末の中にあり、かつコンピュータが読むものではなく、自分自身が開いて利用するタイプのファイルである。(普通ローカルファイルと言ったらプログラムが読むためのファイルも当然含むけれども、今言いたいのは人間用のファイルの話ということです。)
フォルダとして括るべきプロジェクトがあればそれに関連ファイルをまとめれば良い、とシンプルに思いはするものの、普段PCやスマホを使っていて作成したり集めたりしたファイルはそううまく然るべきフォルダにまとめられない。困っているという話をそれほど聞かないけれど、みんな当たり前にうまくやっているのだろうか。自分は知らない常識がどこかにあったりするのだろうか? あるいは、Evernoteが綺麗に解決してくれたということか。
もしかすると自分の混乱は私個人の独特な事情が災いしているということもあるのかもしれない。個人的な用途でOfficeファイルを作るということが結構あって(Office日誌:思想を自分の手に取り戻そうに以前書いた)、ローカルファイルがとにかくごちゃごちゃしやすい状態にあるのである。あとはデジタルノート系のフリーウェアやスマホアプリを試すことが多々あって、それぞれで生成したファイルも様々ある。更に諸々の趣味で作ったり集めたりする画像やファイルもなんだかんだ多岐に亘り、いつも悩みを抱えている。なるべくローカルファイルとして置いておきたいという願望がそれに拍車をかけている(例えばGyazoという便利なサービスを知っていつつも)。
そしてDropbox、Googleドライブ、OneDriveといった各クラウドのフォルダにもそれぞれファイルが置いてあり、使い分けとしてはおおよそ整理がついているものの、ディレクトリ構成の規格が整っていないせいで雑然としている感じが否めずにいた。
長年迷走に迷走を重ねており、とはいえさすがにそう頻繁に変えてはよろしくないと思って前回の整理からは年単位で経過していたが、常に「なんか違うんだよなあ」と思って過ごしていた。
今回の整理前は、昔Evernoteの使い方で見たような「連番+名称(だいたい英単語)」で順番をはっきりさせて十個くらいのフォルダを並べていた。「こういう感じのファイル群が上の方」みたいなニュアンスとしてはまずまず納得していたが、そもそも連番というのが私は気に食わないらしい。数字だけでなくアルファベットでも日本語でも同じことだが、順番をコントロールするための事務的な文字列が「名前」の欄にあるのが嫌なのである。Evernoteも自分が勝手にやり始めたこの手法の気に入らなさでフェードアウトへの一歩を踏み出したのに、また同じことをやっている。
とりあえずこの時点では、設定っぽいファイルは上の方で、バックアップ類がそれに続き、日頃使っているファイルは対象ごとに分けて真ん中あたりで、集めたファイル類は下の方にあってほしいな~みたいなイメージを抱いていた。私にとっては位置のイメージが重要なようである。
ところで近頃はHTMLやJavaScriptをいじっていることが多いので、htmlファイルを開いてぼけっとしていたことがあった。メインの内容はbodyタグ内に記述され、その上のheadタグにメタ情報の類が入っている。bodyタグ内にはheader、main、footerタグがある。navやarticle、section、asideについて調べたばかりでもあり、HTMLというのはうまく整理されているなあとかぼんやり考えていた。
そこでハッと閃いた。設定っぽいファイルはHeadで、「使う」タイプのファイルはBodyと捉えればなんかスッキリする気がする。じゃあバックアップとかバッファー的位置づけのフォルダはFootということにしてみるか。「集める」タイプのファイル、HTMLで言えばインポートするcssファイルやjsファイル、表示する画像といったものの位置づけにあたる類のファイルは、また別にまとめた方が良さそうだ。
「集める」ファイル群をまとめる言葉はHTMLのイメージからはうまく見つけられなかったが、とりあえずHead、Body、Footに合わせて四文字が良いかなと思い、安直にItemとすることにした。(英単語としてはちょっとずれているかもしれないが、ゲームに出てくる「アイテム」のニュアンスで採用した。)
そしてそういう分類用のフォルダであることを示すために全部大文字にしてフォルダ名とした。
- HEAD(設定に使うファイルやbatファイル、ユーザーガイドのファイルなど)
- BODY(使うファイル全般)
- FOOT(バックアップやバッファー)
- ITEM(収集したファイル群や自分が撮った写真など)
こんな感じ。これをローカルのユーザーフォルダと各クラウドに基本の形式として設置した。
この時点で「使う」タイプのファイル以外のものにうまい名前がついてだいぶスッキリした。特にこれまでバックアップ類がなんとも微妙に漂っていたのが、もしもの時に支えてくれる縁の下的イメージに落ち着いたのは大きい。名前順に並べればBODY→FOOT→HEAD→ITEMの順になって上下の位置のイメージは崩れるが、名前にそのイメージが含まれているし、BODYが一番上に来るのはむしろありがたい。名前でイメージがわかるなら更新順にしても困らない。
ちなみに、PCやスマホ内で自分自身が扱う種類のファイルを入れたフォルダの名前にも長らく納得がいっていなかったのだが、「_」にすることで決着した。半角のアンダーバー1文字である。どう名前を付けても変にレトロニム的になって気持ちが悪く、何の意味も示さない且つ名前順で先頭に来る名前が良いと思って「これでいいじゃん」となった。何か支障が生じやしないかと心配しないわけではないが、もし何かあったらその時は改めることにする。(つまり、PCでは「C:\Users\ユーザー名\_」、スマートフォンではルート直下の「_」の中にBODYその他が入っている状態になる。)
さて、使うファイルはBODYフォルダということにしたが、この中身は「明らかに他と混ざらない括り」によってそれぞれフォルダを作っている。要するにプロジェクト単位と言ってもいいかもしれないが、例えばGitのリポジトリごとのフォルダとか、小説を書くなら小説とか、絵を描くなら絵とか、そんな感じの括りである。
ちなみについ数日前に閃いたばかりのフォルダ名に「Noting」がある。「ノーティング」は倉下忠憲氏が著書『すべてはノートからはじまる』で提示されていた概念で、そこから拝借した。例えばLogseqとかObsidianのルートディレクトリや、ノートとして作成したOfficeファイル類を、どういう括りでどこに置いたらいいのか心情として解決していなかったのだが、「要はノートである」ということでまとめてしまえばいいんじゃないかと気がついたのである。ひとつのフォルダにまとめられただけでなく、そこに相応しい名前を与えられたことに大きな意味がある。
BODY内の各フォルダは、更に「COLLECT」「MAKING」「PROCESS」「RECORD」の四要素で区分することを基本とした。こちらは「これで統一する」というほど徹底しているわけではなく、経験的にこんな感じになっていることが多いなというところから必要に応じて作っている(特に創造的なものについて)。
それぞれ一応以下の意味合いである。名前は六~七文字のアルファベットにしようと思ってこうしているが、特にこだわりはない。
- COLLECT(資料として必要なため集めたもの)
- MAKING(作業しているファイル)
- PROCESS(表に出すにあたり加工するための場)
- RECORD(作業記録ややり取りの控えなど)
こちらは先述の大きな四分類と比べると必然性が薄く、まだ括りや名称を変える可能性がある。そんなに「良いこと思いついた」感があるわけではないが、記録としてついでに書いておくかと思って書いた。
今までの整理の試みと比べると自分の中で納得感があるが、果たしてどうなるか。
(なお、この整理をするにあたり「DiskInfo3」で解析結果を保存したほか、そのスクリーンショットをログとしてScrapboxに貼っておいたりした。こういう時はやはりScrapboxが便利である。)